2014年04月14日

[メモ] 黒鉛の量が同じでも硬度の違う芯が作れるらしい

ソースはパイロットの特許文書。

鉛筆芯 (パイロットコーポレーション 特開2011-127055)
http://kantan.nexp.jp/pat_pdf/A/2011/55/2011127055.pdf
(PDF注意)


上記文書から重要な部分のみ引用。(緑字の部分が引用)

黒鉛(結晶子サイズLcは35nm、平均粒径5μm)60部とポリ塩化ビニル40部およびメチルエチルケトン100部を混合し、ニーダー等により混練したのち、得られた混練物を押出成形し、次にアルゴン雰囲気中において、最高温度1000℃まで焼成した。得られた芯の気孔中にスピンドル油を含浸させて、グレードがHBで呼び寸法0.5mmの鉛筆芯とした。
この鉛筆芯は、黒鉛の結晶子サイズLcが35nm、曲げ強度が410MPaで、濃度Dは0.35であり、良好な相関関係を有し、さらに書き味も滑らかで良好であり、配向度は88%となってHBとして適正な鉛筆芯となった。
【実施例2】

【0018】
実施例1において、結晶子サイズLcが45nmの黒鉛を用いた以外は、同じ結合材、溶剤を使用し、同様の工程を用いて呼び寸法0.5mmの鉛筆芯を作製した。この鉛筆芯は曲げ強度が320MPaで、濃度Dは0.45であり、良好な相関関係を有し、さらに書き味も滑らかで良好であり、配向度は87%となって2Bとして適正な鉛筆芯となった。

【0019】
(比較例1)
実施例1において、結晶子サイズLcが64nmの黒鉛を用いた以外は、同じ結合材、溶剤を使用し、同様の工程を用いて呼び寸法0.5mmの鉛筆芯を作製した。
この鉛筆芯は、配向度(%)が88%であったものの、曲げ強度が180MPaできわめて弱く、これに対し濃度Dは0.47と濃くなったが筆記距離が劣化した。

【0020】
(比較例2)
実施例1において、結晶子サイズLcが15nmの黒鉛を用いた以外は、同じ結合材、溶剤を使用し、同様の工程を用いて呼び寸法0.5mmの鉛筆芯を作製した。この鉛筆芯は、配向度(%)が85%で、曲げ強度が480MPaで強く、濃度は0.07できわめて硬く薄くなった。


*上記部分を読んでの自分なりの理解
※結晶子というのは、でかい結晶を作っている最小の結晶の粒のことらしい
・黒鉛を増やさなくても、結晶子サイズが変わるだけで強度、濃度が変わる。
・結晶子サイズだけでは、濃くするのは限界がある。この作成例では、2Bが限界らしい。
・薄い方向なら結晶子サイズだけでいくらでも薄くできそう。でも薄い方向は単純に黒鉛を減らせば良さそうだ。
・こういうことができるなら、濃い芯は黒鉛が多くて、薄い芯は黒鉛が少ない、と単純には言えないのだろう。鉛筆の論文に載っていた配合例は昔ながらの方法なんだろう。



ついでにシャーペン芯の材料例も載っている。
*上記文章での材料例
※試験用にわかりやすい配合にしていると思われる。別の特許文書ではいろいろな材料が使われて複雑だったので。
mplead_base_pilot2011-127055.jpg
焼成後にスピンドル油に浸して染み込ませている。

粘土焼成芯の粘土部分をプラスチックに置き換えている感じかな。
粘土→プラ(塩ビ)
水→溶剤(メチルエチルケトン)
posted by masati at 19:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | メモ
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